四ヶ伝と行之行台子のお道具、茶杓と茶筅の回数(裏千家)唐物・盆点・台天目・和巾

四ヶ伝の道具と回数 雑記

お稽古で上のお点前をする時に、お茶杓の清め方や茶筅通しの回数を思い出す早見表

「今から自分がお点前をする番だ!」という時に、準備するお道具に迷ったり、「あれ???清めるの何回だっけ???」とド忘れすることはないでしょうか?
・・・私はよくあります。

お茶のお稽古がある日の朝に見ると役立つ早見表です。
許状を取り、だいたいの動きは覚えている人向けの記事。
(私が習っている流派は裏千家です。他流派ではおそらく内容が違いますのでご了承ください。)


尚、四ヶ伝以上は口伝のお稽古のため、道具などが先生ごとに違いがある可能性があります。

例えば行之行台子の水次は、昔の先生からは『杉の曲げ生地の水注』と習っていましたが、近年は真が『杉の曲げ生地の水注』で、行之行台子は『陶器の片口水次』と習っておりました。
しかし先日の研究会では、行之行台子は『陶器の片口水次』を使うことが多くなっているけれど『杉の曲げ生地の水注』が正式だと業躰先生がおっしゃっていました。
『陶器の片口水次』とおっしゃる業躰先生が多いことを考えると、京都でも先生ごとに違いがあるのかなと思います。

また和巾の水指は『瀬戸の一重口(塗蓋)』だと私は習っておりますが、『和物の一重口(塗蓋)』とおっしゃる先生もいらっしゃったので、瀬戸の水指が無ければ国産の塗蓋の水指でしたら良いのかなと思っております。

唐物の直前メモ

唐物点前の道具
唐物茶入
楽茶碗
行の茶杓
曲水指
唐銅建水
竹蓋置

唐物点前のお道具(唐物茶入・楽茶碗・行の茶杓・曲水指・唐銅建水・竹蓋置)

茶入は唐物であれば良く、伝来は問いません。
楽茶碗は黒楽じゃなくて赤楽でも大丈夫です。
ふすまの開け閉めは全部手をつきます。

・曲水指と唐物茶入を荘った状態で開始
・手をついてふすまを開けて茶碗持ち入り、ふすまを閉める
・茶碗勝手付き、真に捌いて茶入を清め水指前へ、茶碗をお茶を点てる場所へ移動
膝退して、水屋へ
・建水もって入りふすま閉める
膝行して、柄杓構えて、蓋置、総礼

・帛紗を草に捌いて茶杓3回清める
茶筅通し2度上げ3度打ち

・茶を点てる

・茶碗帰り総礼
・湯を入れ捨て、「お仕舞いにいたします」
・水入れ、茶筅通しサラサラすすぎ2度上げ3度打ち
・帛紗を草に捌いて茶杓を3回清めて、茶杓を茶碗に伏せ、帛紗をポンポン払う
・釜に水1杓、釜の蓋、水指の蓋を閉める

割りごい「お茶入の拝見を」
(茶入の拝見をお願いして出た後、茶杓仕覆の拝見をお願いする)
・柄杓を建水にたたむ
・帛紗を行に捌いて茶入清め、鐶付に出し、帛紗腰

割りごい「お茶杓、お仕服の拝見を」
・手をついて茶杓と仕服を出す
仕服の打ち止めが仕服にかかる・茶入のみが鐶付)

・建水、茶碗、水指を下げ、ふすま閉める

・ふすま開けて入り、問いに答える
・右手で仕覆を左手にのせ、茶杓を仕覆の上に乗せて左親指で押さえ、右手で茶入を持って左手の上につかず離れず
・総礼してふすまを閉める

私は開始後の膝退膝行を忘れがちです。

さらに行之行台子のあとは、唐物なのに間違って仕舞いも膝退膝行しがちです。

お仕舞いは膝退膝行無しです。

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盆点の直前メモ

盆点のお道具(唐物茶入・盆・楽茶碗・象牙の茶杓・曲水指・唐銅建水・竹蓋置)

伝来がはっきりしていて盆がそった茶入を使います。
とは言っても、実際に伝来がはっきりしている茶入は博物館や美術館にあるようなもので、一般的にお稽古で使うのは「〇○茶入の写し」です。
「〇○家伝来の△△でございます」といったように答えます。


・曲水指と盆に乗った唐物茶入を荘った状態で開始
・手をついてふすまを開けて茶碗を持ち入り、ふすまを閉める
・茶碗を勝手付、盆を少し移動
・茶入の仕覆の緒を解いてゆるめる
・帛紗を真に捌いて盆を清める
・茶入の仕覆を脱がせて、帛紗を真に捌いて茶入を清め盆の上へ
・茶碗を点てる場所へ移動
膝退してもどり、ふすまを開け水屋へ
・建水もって入り、ふすまを閉め、すすみ座り膝行
・柄杓構え、蓋置定座、柄杓を引いたら総礼

帛紗を草に捌き茶杓を3回清めて手前に戻し、押して引いて引いて向こうへ抜いて、また草に捌きなおして清拭き1回して盆の上の茶入左へ
・茶筅を出し、茶巾を水指上へ

・始めの茶筅通し2度上げ3度打ち

・揉み手で手を3回清め、両手で茶入を取り、蓋は盆の上、右手で茶杓を取り茶を掬い出しのみ
・茶杓を茶碗の上に預けて、茶入のふたを閉めて盆の上へ
・茶杓で茶を捌いて、茶碗の中で打って、茶杓を握り込んだままの右手で帛紗を取る
帛紗を草に捌きなおして茶杓を3回清めて手前に戻し、押して引いて引いて向こうへ抜いて、建水の上で帛紗をポンポン払って、清拭き1回

・茶を点てる

・茶碗がかえり、総礼
・お湯いれ捨てて、「お仕舞いにいたします」
・水を入れ、茶筅通しはサラサラすすいで2度上げ3度打ち
・茶碗に茶巾、茶筅、茶杓、勝手付へ
・釜に水1杓、釜の蓋、水指の蓋を閉める

・「お茶入、お盆、お茶杓、お仕覆の拝見を」
・柄杓を建水にたたみ、蓋置を建水の下座

・揉み手で手を3回清め、両手で茶入を取り、客付へ
帛紗を行に捌いて茶入を清めて鐶付に出す
・居前へ回り、帛紗を行に捌いて、両手で盆をもち客付きへ、盆を清めて出す
・茶杓、仕服も出す(茶入のみ鐶付)

・建水、茶碗、水指を下げ、手をついてふすまを閉める

・ふすま開けて入り、問いに答える

揉み手で手を3回清め、両手で茶入を取り盆の上へ乗せる
・盆を膝前に取り込み、茶杓を(茶入の左)盆に乗せ、仕覆を(茶杓の櫂先の上)盆に乗せ、両手で盆を取り持ち上げ、右手で茶入を押さえて、かえり、総礼して、ふすまを閉める

抹茶を茶碗に入れて捌いたら、お茶を点てる前にすぐ茶杓を清める。
とても大切な盆を抹茶で汚さないように、置く前に清めると覚えました。

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台天目の直前メモ

台天目のお道具
和物茶入
天目茶碗
天目台
象牙の茶杓
曲水指
唐銅建水
竹蓋置

台天目のお道具(和物茶入・天目茶碗・天目台・象牙の茶杓・曲水指・唐銅建水・竹蓋置)

台天目のお点前では小濯ぎがあります

小濯ぎから天目台を清め茶筅通しまでの動きを覚えれば大丈夫です。

お仕舞いの茶筅通しの後も茶巾で天目茶碗を拭きます

(始めの茶筅通し)
天目茶碗に湯を入れ、小濯ぎ

天目茶碗に湯を入れ、茶筅を入れ、天目茶碗を仮置き

天目台を清める

左手の上で茶筅通しをする

・曲水指、和物茶入、天目茶碗(天目台、茶杓、茶筅、茶巾)を荘った状態で開始
・膝前に建水を置き、手をついてふすまを開け入り、ふすまを閉める
・柄杓を構え、蓋置を出し、柄杓を引き、総礼
・天目台を膝前へ、茶入の仕覆を普通に脱がせて、茶入を普通に清める
帛紗を草に捌き茶杓を3回清めて手前に戻し、押して引いて引いて向こうへ抜いて、また草に捌きなおして清拭き1回
・茶筅を出し、茶巾を水指の蓋へ
・天目茶碗にお湯をいれて小濯ぎ、右手薬指で露切り
・天目茶碗にお湯を入れて、茶筅を入れて仮置き
帛紗を真に捌き天目台を清める
・天目茶碗を左手に乗せ、茶筅通し3度上げ3度打ち

・茶杓を天目茶碗の上に預け、左手で茶入を取り、茶入の蓋は茶碗の右(畳の上)
・茶はすくい出しのみ、茶杓を天目茶碗の上に預け、茶入の蓋を閉めてもどす
・茶杓で茶を捌いて茶碗の中で打ち、茶杓を茶入の上へ

茶を点てて出す(鐶付)
・膝退して控える

・茶碗がかえる
総礼、天目茶碗と天目台の問い

・湯を入れ小濯ぎして捨て、「お仕舞いにいたします」
・水を入れ、茶筅通しはサラサラ、打たずに3度上げ3度打ち
茶巾で露切をして天目茶碗を拭きます
・天目茶碗に茶巾を入れ天目台に乗せ、茶筅を入れる
・茶杓を取り建水を下げる
帛紗を草に捌き、茶杓を3回清めて手前に戻し、押して引いて引いて向こうへ抜いて、建水の上で帛紗をポンポン払って、清拭き1回
・茶杓を天目茶碗にふせ、帛紗腰
・茶入を水指右前へ、天目茶碗を水指左前へ
・釜に水1杓、釜の蓋閉め、水指の蓋閉める

・「お茶入、お茶杓、お仕覆の拝見を」

・柄杓をたたんで、蓋置を建水の下座へ
・茶入を膝前へ、天目茶碗を水指正面へ
・茶入もって、客付きへ回る

帛紗を四方捌きして、普通の濃茶のように蓋と胴を清める
(回し出し無しのため蓋は開けない)
・茶入を出す(通常の場所)
・茶杓出す(通常の場所)
・仕覆出す(通常の場所、緒はかけない)

・建水下げ、天目茶碗下げ、水指下げる
・膝前に水指を置き、手をついてふすまを閉める

・道具がかえったら、ふすま開けて入る
・問いに答える
・いつものように、仕覆、茶杓、茶入を持ってかえる
・勝手口に並べて置き、総礼
・ふすまを閉める

天目茶碗にお抹茶を入れる時
台天目は茶杓は天目茶碗の上、行台子は茶杓は天目台の羽根の上(右)
台天目は茶入の蓋は畳の上、行台子は茶入の蓋は天目台の羽根の上(手前)

色々なお点前を習っていくうちに、同じお道具でも置く場所が違ったりして迷うことが多くなります。
比較して覚えていくと、覚えやすいです。

九州国立博物館【憧れの東洋陶磁】国宝の天目茶碗等を展示

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和巾の直前メモ

和巾の道具
桑の中次、楽茶碗、竹の中節の茶杓、瀬戸一重口水指、唐銅建水、竹蓋置

和巾のお道具(桑の中次、楽茶碗、竹の中節の茶杓、瀬戸一重口水指、唐銅建水、竹蓋置)
瀬戸の一重口がなければ和物塗蓋の水指でも良いようです。

お点前の名前の『和巾』はどこに・・・?

和巾のお点前は、玄々斎が孝明天皇より和巾(名物裂)を拝領し、その裂地で作った古帛紗とお仕覆を披露するためのお点前だそうです。
ですので、唐物ではないけれど、とても大切なお道具なので、中次を両手で扱います

・水指の前に中次(古帛紗、仕覆)を荘った状態で開始
・膝前に茶碗(茶巾、茶筅、茶杓)を置き、手をついてふすまを開ける
・入り、茶碗を勝手付へ
・水屋に戻り、建水もって入り、ふすまを閉めて、居前へ
・柄杓を構え、蓋置を出し、柄杓を引き、総礼
・建水すすめて、居ずまい正す
・和巾(古帛紗)右手で左前つまんで、左手いれて、右手つまみかえ右へスライドし、中次と和巾を一緒に膝前へ
・仕覆を脱がせて、普通に四方捌き、中次を二引き3回胴拭き、帛紗腰
・中次(古帛紗)水指前へ
・茶碗を膝前へ
・帛紗を草に捌き、普通に茶杓を3回清め、和巾(古帛紗)のひだりへ
・茶筅を建水の左肩へ、帛紗で水指の蓋清め、茶巾を水指の上へ

・湯を入れ、普通に茶筅通し2度上げ3度打ち、茶巾で拭く

・両手で中次とり、蓋は和巾の中央へ
・茶杓を取り、茶を3杓すくい出し、残り全部かき出し、茶杓を茶碗の上に預け、中次の口を指で清める
・茶杓で茶を捌き、茶碗の縁で打ち、茶杓を和巾の上へ

・茶を点てて出す

・茶碗がかえったら、とりこみ総礼
・湯を入れ、捨て、「お仕舞いにいたします」
・水入れ、茶筅通しサラサラ2度上げ3度打ち
・水捨て、茶碗に茶巾入れ、茶筅入れ、茶杓を取り建水下げる
帛紗を草に捌き、茶杓を3回清め茶碗にふせ、帛紗ポンポン払って腰につける
・茶碗を勝手付へ
・釜に水1杓、釜の蓋閉め、柄杓引き、水指の蓋閉める

「中次、和巾、お茶杓、お仕覆の拝見を」

・柄杓たたんで、蓋置を建水の下座へ
・和巾、中次を持ち客付きへ回る
・和巾、中次を膝前に置き、帛紗を四方捌きして蓋を二引き胴3周清め、帛紗を和巾の右へ置き、蓋を和巾の上へ、帛紗で中次の口をこの字に清め、帛紗を和巾の右置き、蓋閉めて両手で和巾の上に中次置き、帛紗腰
・右回りに和巾を回して、中次(和巾)を鐶付に出す
・普通に茶杓、仕覆を出す

・建水(柄杓、蓋置)下げて、茶碗を下げる
・水指を持って下がり、膝前に置いて手をついてふすまを閉める

・道具がかえったらふすまを開けて入る
・問いに答える
・和巾の左前を右手でつまみ、左手を和巾の下に入れて、右手をつまみかえて右にスライド、右手は小指だけ和巾の下で中次持って左手の上に乗せる
・右手で茶杓をとり、仕覆もとり、右手中指を曲げたところで中次の蓋を上から押さえるように重ねてかえる
・建付に仕覆、茶杓、中次(和巾)置いて総礼
・ふすまを閉める

何か和巾を汚しそうで、お茶を入れた後に茶杓を清めたくなるのですが…。

茶を入れた後にすぐ茶杓を清めるのは盆点
和巾点前はお抹茶が付いたままの茶杓をそのまま和巾(古帛紗)の上にもどします。


大事な布が汚れるぅぅぅぅ。

湿気で茶杓に抹茶がたくさん付いている時は、先生のお宅で心苦しすぎて「失礼します」と懐紙で拭ったりしています。
お点前として要らない動きはすべきではないのですが。

お稽古ですし、何となく…。

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