自宅の水屋の話になります。
こちらは2016年に現代の建築方法で建てられた普通の住宅になります。

実家の昔ながらの茶室の水屋で使いづらかったところを踏まえて、気軽に趣味でお稽古ができるような茶室を考えてみました。
炭手前をする時に使用する換気扇の増設はこちら
電熱器でも炭手前でも使用可能な炉壇の設置はこちら
茶室の間取り

茶室周りはこのような間取りです。
「曲がり茶道口」が主で、床の間前に置き炉を据えれば水屋から「突っ込み茶道口」でも稽古ができます。
また大炉も切っています。
だいたい稽古をするのに不便を感じることは無いのですが、一つだけ心残りが…。
茶室に入る枝折戸と腰掛待合の位置です。
茶事等の動きを考えたら
待合→腰掛待合→枝折戸を開けて迎え付けなので、
本当は腰掛待合と蹲の間に枝折り戸が欲しいところですが、駐車場との兼ね合いで庭の入り口に境界線が来ることになりました。

理想の枝折戸の位置

実際の庭入口の写真 タカショー(アルエバーみす垣ドアー)

いつか竹垣と戸の場所を移動をしたいです

腰掛待合はこんな感じです。
踏石がお正客の足元だけ正客石で、大きめの石を少し高く据えます。

ちなみに茶会をする時は、玄関に置き畳を敷き、待合としております。
スペースは3畳ほどですが置き床にして、毛氈を敷いて汲出しと煙草盆は置けます。
そもそも腰掛待合が4名様までなので、5名以上だと腰掛待合は玄関や駐車場にベンチ+毛氈を設置することになります。

茶事の動きを考えたら駐車場の場所に腰掛待合を持ってくるのが正解なのかしら???
限られた土地の広さで、普通に生活する住宅の1部屋が茶室
夢は詰まっていますが中々難しかったです。
まだまだ改良の余地はありますね。
それもまた楽しい
水屋の構造(茶道用)

左側の収納扉等、茶室和室専門の材料は九銘協さんにお願いしました。
株式会社 九銘協さんへのリンクはこちら
(KYUMEIKYO>PRUDUCTS>カタログダウンロード で和風建材が見られます)

私が習っているのは裏千家ですので、水屋の棚の並びは裏千家風です。

落掛は竹材、通し棚や力板は杉

簀子棚は杉と寒竹

この水屋の写真を見られて…違和感はございますでしょうか?
今のところお客様に指摘されたことはないのですが、実は杉の腰板は杉ではありません。
腰板はアイカさんのセラールバスパネルFYA2070ZGN(FYA2070ZGN商品情報リンクはこちら)
よく温泉の脱衣場や壁に使われている素材です。
実家の水屋は本物の杉板だったのですが、私の管理が悪いのか水が飛んだのを雑巾で拭いても拭いても水跡のシミができてしまいました。
杉板は水がかかると木のアクでシミができやすいそうです。
ちなみに手前の一番水が飛ぶ場所の木材はヒノキなのですが、変色も無く強いです。
結局、水回りはヒノキが一番最適かしら?

サンプルがたくさんあったので比較しましたが、木目のキッチンバスパネルは色々なメーカーさんから出ていて、アイカさん以外にもエイダイさん等からも良い物が出ています。
リアルに木の凹凸感があるものもありますが、私は色合いが本物の木材に近くて平面ですが掃除しやすそうな品番を選びました。
ただ数年がたち、ジョイントの杉材は色が濃くなっていきパネルの色が薄く感じる気がするので、もう少し濃い目のパネルでも良かったかもしれません。

そしてこちらの水栓はイブキクラフトさんのエッセンス
「PIVOTブロンズ壁付単水栓」「レバータイプ4」
水が出るところと、水を出すツマミのレバーが別売りでした。
新しいカタログで見当たらなかったので、もしかしたら廃番かもしれません。
またカクダイさんにも水屋に向いてそうな水栓がたくさんあり迷いました。
横形自在水栓707-016-AGとかも良さそうです。
色んなメーカーさんのカタログを見てみるのも楽しいです。


竹のすのこを外すと木枠があって、木枠を外すとステンレス流しになっています。
本当はもう少し流しの底の高さを下げたかったのですが、床下が50cmくらいしかなくて、排水トラップと排水管の勾配の都合でこの深さになってしまいました。
ミニキッチン(一般住宅用)

冬場に冷たい水の洗い物で手がかじかみ、お点前で指がすんなり動かないという経験はございますでしょうか?
私は冷え性なので、冬はよくあります(涙)

我が家は水屋にトクラスさんのキッチンの収納と流し部分も設置しています。
(トクラス株式会社さんのカタログはこちら)

私は冷え性で寒い季節はものすごく冷たい手になっております。
お湯が出る洗い場も欲しかったんです。
冬場の暖かいお湯は有難い・・・。

流しの下にLIXILさんの「ほっとエクスプレス即湯システム」を入れているので、ガスでお湯が沸くのを待つことなく、すぐにお湯が出ます。
(株式会社LIXILさんの商品ラインナップ住宅向け小型電気温水器リンクはこちら)

即湯システム、これは本当に設置して良かったと思いました。
実家の茶室との違いで1番良かったことかもしれないです。
水屋の床板(和風・洋風フローリングの違い)

あとはフローリングの違いでしょうか
洋風の床のフローリングは見た目の板1枚ずつが短く、和風の床板は板1枚が長いです。
水屋のフローリングはWOODONEさんの「フロング 桧」を使用しています。
(株式会社ウッドワンさんのPRODUCTSフローリング › フロング® 桧へのリンクはこちら)
板1枚の長さの違いでしかありませんが、何となくそれだけで和風感が出る気がします。
さいごに
現代建築の住宅での茶室、水屋いかがでしょうか?
本格的に茶道を志すかたは、茶室建築専門の業者さんに家を建てる段階からお願いした方が良いかと思います。
しかしお茶を趣味として楽しむのでしたら、普通の住宅に炉を切り水屋を設置する方法でも、十分に和室が活用できます。
気楽に楽しむことがお茶を続けていくことにつながる気がします。
ここまでお読みいただきありがとうございました!